20170216

neco論で経済 NO.15

 

「今、物流が熱い」

 

人手不足で注目を浴びている物流業界の話。この日はアスクルの倉庫が大火事で世間を騒がしていた日でもありました。

 

 貨物輸送の主力が自動車59%はそうだろうなと思ったが、37%が国内海運というのは認識不足でした。

 

 ネット通販の成長とともに、宅配の取り扱いも増え2015年には37億個と、15年間で2倍になった。また、宅配はその内容も顧客の荷物を運ぶだけでなく、大手のヤマトの羽田クロノゲートでは、顧客からDMパンフレットのデジタルデータだけを受け取り、印刷=包装=配送までを一貫してこなすなど進化してきている。

 また、物流倉庫にはロボットの導入など人手不足対策が進む。国内だけでなく沖縄に物流拠点を設け、東南アジアの主要都市に翌日配達体制をつくるなど国際化も進展している。

 日本郵便は2015年3月期に宅配便市場で前期比13%増の4億8500万個に取扱個数を増やしたが、シェアはまだ約13%台。メガ物流局を2018年度までに全国20カ所に開設する積極投資でヤマト、佐川を追撃する。

 セブン&アイグループやイオングループが進めるオムニチャネルの最後の決め手は物

流体制である。「顧客が欲しい商品を欲しい時に、欲しい方法で受け取れる」のがオムニチャネルの基本コンセプトで、顧客が確実に購入できることを実現するIT環境(販売・在庫管理、決済機能などの情報処理システム)と物流機能を欠かせない。

 日本の賃貸向け物流不動産市場は米系デベロッパーのプロロジスとシンガポール系のグローバル・ロジスティック・プロパティーズ外国勢が切り開いた。

物流会社などに倉庫を自前で持たずに借りる「身軽な経営」を提案し、両社は

系列の不動産投資信託(REIT)を上場させ、開発した物件をREITに売却して次の物件開発の資金を得る形で事業を拡大している。

 

競争相手のキリンとアサヒが、2017年1月から貨物列車を使ったビール系飲料の共同輸送を始めた。

トラック輸送を軽減するのが狙い。アサヒが吹田工場(大阪府吹田市)、キリンが神戸工場(神戸市)で生産した製品をJR貨物の吹田市の駅から金沢市のターミナルまでまとめて運ぶ。

 

再配達のロスを減らす取り組みとして、宅配ボックスの取り組みも始まり、政府も助成金を支給する取り組みを始めた。

航空業界はLCC交え競争は激化している。

LCC(格安航空会社)は少ない機材を効率的に使い、低価格運賃で着実に利益を出す事業モデルで、日本では12年に3社体制でスタートし、2015年の国内旅客シェアは9.3%である。

 

海運業界

 海運業界は1960年代半ばに深刻な海運不況に、政府主導による構造改善を進め、これを機に6グループに再編。その後90年代末には3社(日本郵船、商船三井、川崎汽船)に集約された。日本の輸出入貨物の6割強の輸送を海運大手が担う。日本の商船は3社合計で2561隻だが、その船籍はパナマなど外国籍が92%で、国際化が進む。

 2011年3.11の福島事故で原発が全面停止、代替エネルギー源としてLNGへの意依存度が急速に高まったため、大手3社はLNG船を安定収益事業と位置づけ、重点的な投資を進めている。ここ数年の各社の中期経営計画を見ると、日本郵船、商船三井は事業規模の大幅拡大を見込み、両社とも運航規模は100隻を超える見通しである。

内航海運でも高齢化、人手不足が大きな経営課題で、60歳以上の船員比率は26.6%で9年前の2倍になっている。海運3社は17年7月に共同出資でコンテナ船事業を統合する、18年4月からサービスを開始する予定である。