20160421

第6回 neco論で経済

「Internet of Things 」

 

モノのインターネットは、どこまで広がっていくのか?をテーマに、望月講師より、資料に基づいたプレゼンが行われた。インターネット環境の歴史をたどり、現在のネット環境を活用した、事業会社の戦略を解説した。

Tワールド:すべては情報のデジタル化から始まった。

 

ITワールドではあらゆる信号を「0」と「1」の符号に変換して伝送・処理する。

文字も音声も映像も、共通した“0と1のバイナリー信号”で表わすことにより、表現形

態の区別なく、同時、並列的に横一線で処理、加工できる。

 

⇔アナログ信号ではそれぞれに相い容れない排他的な表現・処理技術。

 

IoTって、ふつうのITとどこが違う?

 

1.物理的には通信ケーブル(有線)のくびきから解き放たれる。

データのやり取りは無線が基本。公衆無線電話回線、WiFi(無線LAN)、Bluetooth(赤外線通信)などを状況に応じて使い分ける。

 

2.どんなデバイス(装置)にもほぼ無制限にアドレスを付けることが可能。

IP(インターネットプロトコール)がIPv4(125.065.022.001)からIPv6に進化したため、アドレス・ソースが飛躍的に拡大。

 

3.どんなデバイスでも高度な情報処理機能を持つコンピューターと直結。

(貧しい)自前の情報処理機能を備えたスタンドアローン(自立型)の装置に代えて、ネットワーク上で飛躍的に高度な演算能力を持つ機器と直結。

 

IoT(モノのインターネット)展開を活用基盤から整理すると

 

サプライチェーン (素材・部品から組み立てまで製造工程をつなぐ。)

•ドイツのインダストリアル4.0(水平、垂直両方向の情報化を統合)

•オムロン(工場内の全制御部品をIoT化、通信機能を付ける)

•米シスコとファナック連携による工場の効率化。(ロボ+センサー)

 

デマンドチェーン (ユーザー企業の使用現場や流通末端とつなぐ。)

•GEのインダストリアル・インターネット。

•コマツのKOMTRAX(メンテ)、スマート・コンストラクション(オペレーション)。

•インテリジェント(知的)なPOS(販売時点管理)システム。

 

社会インフラ (公共・生活の場に広く浸透。)

•エネルギー効率を追求するスマートハウス、スマートシティ。

•医療情報システム。(検診・診断から治療までマイナンバー化)

•自動運転を頂点とする交通システム。

 

自動車もカーIoTに

インターネットに接続できる通信機能を備えた車。車両の状態を示すデータや周囲の情報を取得・分析して運転者への情報サービスを高度化。

すでに事故時の緊急通報、地図情報の更新などで実用化。

 

生活の場ではスマホが様々なIoT活用を媒介。

スマホの最大の強みは

①インテリジェント(情報処理機能)端末の機能

②遠隔と近接領域との両方の通信機能を兼ね備えている。

 

プライバシーに課題も!

 

日本は第4次産業革命で立ち遅れ鮮明

米国ではGEが数年前から「インダストリアル・インターネット」のコンセプトを製造業の核に据えると宣言。ドイツではSAPなどが11年春に「インダストリー4.0」を提唱、13年には産業各分野のリーダー企業、地方企業を巻き込んだ官民推進組織が発足した。

日本はといえば、日立、コマツなど先進的な有力企業の個別的な試みはあるものの、中堅・中小企業をすくい上げる産業界レベルの動きにはなっていない。