第6回 neco論で経済
「Internet of Things 」
モノのインターネットは、どこまで広がっていくのか?をテーマに、望月講師より、資料に基づいたプレゼンが行われた。インターネット環境の歴史をたどり、現在のネット環境を活用した、事業会社の戦略を解説した。
Tワールド:すべては情報のデジタル化から始まった。
ITワールドではあらゆる信号を「0」と「1」の符号に変換して伝送・処理する。
文字も音声も映像も、共通した“0と1のバイナリー信号”で表わすことにより、表現形
態の区別なく、同時、並列的に横一線で処理、加工できる。
⇔アナログ信号ではそれぞれに相い容れない排他的な表現・処理技術。
IoTって、ふつうのITとどこが違う?
1.物理的には通信ケーブル(有線)のくびきから解き放たれる。
データのやり取りは無線が基本。公衆無線電話回線、WiFi(無線LAN)、Bluetooth(赤外線通信)などを状況に応じて使い分ける。
2.どんなデバイス(装置)にもほぼ無制限にアドレスを付けることが可能。
IP(インターネットプロトコール)がIPv4(125.065.022.001)からIPv6に進化したため、アドレス・ソースが飛躍的に拡大。
3.どんなデバイスでも高度な情報処理機能を持つコンピューターと直結。
(貧しい)自前の情報処理機能を備えたスタンドアローン(自立型)の装置に代えて、ネットワーク上で飛躍的に高度な演算能力を持つ機器と直結。
IoT(モノのインターネット)展開を活用基盤から整理すると
サプライチェーン (素材・部品から組み立てまで製造工程をつなぐ。)
•ドイツのインダストリアル4.0(水平、垂直両方向の情報化を統合)
•オムロン(工場内の全制御部品をIoT化、通信機能を付ける)
•米シスコとファナック連携による工場の効率化。(ロボ+センサー)
デマンドチェーン (ユーザー企業の使用現場や流通末端とつなぐ。)
•GEのインダストリアル・インターネット。
•コマツのKOMTRAX(メンテ)、スマート・コンストラクション(オペレーション)。
•インテリジェント(知的)なPOS(販売時点管理)システム。
社会インフラ (公共・生活の場に広く浸透。)
•エネルギー効率を追求するスマートハウス、スマートシティ。
•医療情報システム。(検診・診断から治療までマイナンバー化)
•自動運転を頂点とする交通システム。
自動車もカーIoTに
インターネットに接続できる通信機能を備えた車。車両の状態を示すデータや周囲の情報を取得・分析して運転者への情報サービスを高度化。
すでに事故時の緊急通報、地図情報の更新などで実用化。
生活の場ではスマホが様々なIoT活用を媒介。
スマホの最大の強みは
①インテリジェント(情報処理機能)端末の機能
②遠隔と近接領域との両方の通信機能を兼ね備えている。
プライバシーに課題も!
日本は第4次産業革命で立ち遅れ鮮明
米国ではGEが数年前から「インダストリアル・インターネット」のコンセプトを製造業の核に据えると宣言。ドイツではSAPなどが11年春に「インダストリー4.0」を提唱、13年には産業各分野のリーダー企業、地方企業を巻き込んだ官民推進組織が発足した。
日本はといえば、日立、コマツなど先進的な有力企業の個別的な試みはあるものの、中堅・中小企業をすくい上げる産業界レベルの動きにはなっていない。
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