道中記

天下の験・箱根の関所

 箱根の関所は、本来は幕府が大名や武士を取り締まる目的で設置したものであったが、いつしか百姓・町人にまでおよぶことになった。

 俗に「入り鉄砲に出女」といい、関東ヘの武器・武具の搬入を禁じ、江戸屋敷に住む大名の妻女の脱走を防止するのが、箱根の関所の役割であつた。

 

 箱根の関所のほか、裏関所として仙石原関所、矢倉沢関所、根府川関所があり、その関所に詰める役人は、すべて小田原落の藩士であった。箱根関所……番頭一名、横目付一名、定番三名、侍一名、足軽・小頭十五名。仙石原関所…箱根の裏街道を取り締まった。矢倉沢関所…番頭一名、定番二名、足軽一名、中間一名。足柄越え街道取り締る。根府川関所…熱海街道を取り締まる。

 

温故塾11 (道中記)
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